食事と切り離せない摂食障害は、毎日の生活のなかで症状から離れることが難しいもの。
だからこそ「自分を知り、やさしく見つめ直す一日」をテーマに、イベント「私を知り、私を創るご自愛日」を開催しました。
前半は心理士・品川博二先生による講義を通じて、症状の下支えになっている心の仕組みを学び、
後半は摂食障害経験者の竹口和香さんと一緒にボタニーペインティングに挑戦。アートを通じて自分の心と向き合い、新たな気づきを得る時間となりました。
*イベント前半のレポートもぜひご覧ください!
ボタニーペインティングって?
今回体験したのは「ボタニーペインティング」。
本物の植物の葉を貼り付け、直感的に着彩するアートで、絵の得手不得手に関わらず楽しめるのが特徴です。自然素材だからこそ、完成作品は世界にひとつだけ。唯一無二の表現が生まれます。(参考:公式サイト)
自己紹介からスタート
渋谷のレンタルスペースに集まった参加者は6名。
まずは自己紹介とともに、参加のきっかけや今の気持ち、摂食障害との向き合い方について一言ずつシェアしました。少しずつ互いの背景を知ることで、安心感のある場が生まれていきました。

講師・竹口和香さんの思い
ワークショップをリードしてくださったのは、摂食障害の経験を持つ竹口和香さん。
「明るい色もあれば、暗い色もある。きれいなだけじゃなく、その時の心の在り方を見つめ直せるのが面白いところ」
ご自身も体調を崩した時にアートを試作し、心を見つめ直す時間になったと語りながら、実際の作業の進め方についてご紹介くださいました。

いよいよ制作開始!
①植物の配置決め
キャンバスに葉を自由に並べるところから始まります。置き方ひとつで表情が変わり、自然と個性がにじみ出ていました。

着色
アクリル絵の具をスポンジに乗せて伸ばしたり重ねたり。
色が混ざり合い、思いがけない質感や色合いが生まれていきます。

会場は集中した静けさに包まれつつも、どこか柔らかい空気に。皆が自分の世界に没頭する時間となりました。
仕上がった作品は唯一無二
完成した作品は、同じ素材を使ったとは思えないほど多彩。

淡くやさしい色合いのもの、鮮やかで力強いデザインのもの…。参加者それぞれの内面や感情がそのまま表現されていました。
参加者の方からは、
「アートを通じて自分自身に向き合う時間が持てた」「完成後の解放感が心地よい」と声があがり、
正解も不正解もないアートだからこそ、自分の心に素直に向き合える。そんな気づきを得られるひとときでした。
まとめ・編集後記
摂食障害と向き合う日々、自分の心をやさしく受け止めることはもちろんですが、時に自分に対する攻撃的な気持ちや怒りなど、負の感情を吐き出し何かにぶつけることも、とても大切だと思います。
負の感情を外に出すこと、ありのままの自分の気持ちを見つめ直すことは、日常の中では中々難しくて出来ないことも多いけれど
「アート」という形・非日常の体験だからこそ、ある種何も考えずにぶつけられるのかもしれません。今回のボタニーペインティングでは、その一歩を体験できる時間となりました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!